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他人の痛みを想像すること [complaint]

思考がマイナスに動くことってままある。今回の直接の原因は、友人二人からのメールといくつかのブログ。

うまく言えないんだけど。支離滅裂になるから、誰も読まないほうがいい。まさに、愚痴の掃き溜め。

まず、小泉が組閣して、やっとこさ閣僚を見てきた。安倍晋三、官房長官。写真を見たとたん、文学的な装飾ではなく本当に吐きそうになった。ポスト小泉の最右翼と言うことでしょうね。そしておそらく、これって好意的に見られているんだと思う。なぜ? 違う意味で「最右翼」ではないのですか? 

右傾化、というのをうまく言えず、アイルランド人の友人の夫(イスラエル人。アイルランドで日本語の通訳をしている)に「ライトウィング」と言ったら、「日本の場合はライトウィングと言うより、ナショナリストと言ったほうがいいんじゃないか」と言われた。ナショナリストは右翼とは違うんですね、とは思ったが、最近はよく分からない。

彼や、彼側にいる人たちは論敵のことを「共産主義者」とか「マルクス主義」とか言うからだ。いつの時代の人たちですか? と昨日までは笑っていられたんだけどね。

支離滅裂だけど、男女共同参画なんちゃら、になった女性閣僚の、あの社会的女性性を強調したドラえもんのようなドレスは何ですか? 結局お飾りになって、名前だけの張りぼてにされるんですか? 官房長官はどうも男は男らしく、女は女らしく、という方針を好まれているようですけど?

小泉や安倍や石原都知事に票が集まるのは、なぜかよく分からないが、私の両親の発言から何となく想像が付く。つまり「はっきりものを言うからいい」と言うことらしい。態度が大事であって、発言の中味はどうでもいいってことなんだ。日本人の政治に対する絶望感ってこんなに大きかったんだな、と思って、ショックを受けた。今までの腹芸ばっかりの政治にうんざりしまくったら、こうなってしまったと。

新しい歴史教科書の問題について。「自虐史観」とか、センセーショナルなことをいっているが、これを真に受けている若者が多い、と見受けられる。これって実は裏に黒幕がいるんじゃないかと。つまり、社会党が骨抜きになった出発点は、自民党にうまく乗せられて、首相を出してしまったところだと思うんだが、こうすることで左派中道(?少なくともある意味「革新党」)の党の存在意義をなくす、という長期的視点で村山首相を作り出した黒幕がいたんじゃないか、とずっと思ってるんだが、それと同じで、それよりももっと長い視点で、日本が悪かったんだ(極論だが)という歴史教育を延々とやっていくことで、戦後60年ぐらい経つと、それに反発したくなるような下地ができる、ということを考えた人がいたんじゃないかと。

ウェールズ中世史のN先生に、かつて「もう、この状況には諦めています」といったところ、私のような若い世代が戦う姿勢をもたないのは悲しい、といわれた。でも、戦うすべが私にはないのです。彼らは理論武装してきてるけれど、私にはそれに対応する武装ができないんです。私がただ一つもっていることは、「もう少し他人の痛みを想像するだけでもしてみようよ」っていうことだけなんです。そうしたら、韓国人は云々とか、南京大虐殺なんて無かったのに、中国人は嘘つきだ、とか、従軍慰安婦なんてものはなかったんだ、とか、言えないよね、とは思うんだけど。こんなの簡単に吹き飛ばされちゃうよ、先生。

反フェミニズムとして叩かれて、実は女性作家でした、とあとで分かったジェームス・ティプトリー・ジュニアの小説に『ヒューストン、ヒューストン、聞こえますか』というものがあるが、女性だけの世界故に発展もなく、活気もなく、科学進歩もないが、だからこそ戦争もない未来の地球、というのが出てくる。何となくこれを読んだ時、それのほうがいいじゃん、と思ったんだけど、つまり、何が言いたいかというと、女性の方がひょっとしたら他人の痛みを想像しようという姿勢をとることが、男性よりも少しは楽にできるのかもしれない、ということ。あるいはガツガツしないで、まったりした状態になるんじゃないか、ということ。

小泉チルドレンを見る限り、そうとも言い切れないのね。塩野七生が閣僚に入ってなくて本当に良かった。

本当に支離滅裂。


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がっかり [雑記(徒然なるままに)]

ちょっとした理由(MSIJの方で、こちらのURLを載せてもらった)で、最初から、やばいことはないか読み返してみた。誤字脱字の嵐・・・。これって、修論の時にもたくさんあったのよねぇ。校正できない私。かなりショック。がーん。

お昼過ぎに暗くなってきて、みんなで「雨降りそうね」とか言っていたら、降ってきた。日本と違って真っ暗になって降り始めるんじゃなくて、まだ結構明るいのに降ってくるから、突然な感じが否めない。そして華麗に虹まで出た。で、2時間ぐらいで止んだ。今日の天気予報では「シャワー」になってたから、こんな感じで降ったり止んだりかな。

はっ。この間にタバコを吸いに行くべき?


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Fry, Susan Leigh. 『Burial in medieval Ireland, 900-1500』 [学問]

私がこれからやりたいと思ってることに結構ぴったりの本が(うれしさと残念さ)! と思って借りたが、元々博論だけあって結構荒削りな論文。副題が『A review of the written sources』で、著者自身が紙数と時間に限りがあり、とりあえず文字史料から分かることをおおざっぱに纏めることを目的とした、ということだけあった。

一応自分の研究範囲は7〜9世紀頃なので、このあたりの史料を使ってあるところだけを流し読みした。書評で、タイトルと違って結構初期の史料も使われている、ということなので読んでみたのだ。しかし、それほど得るものはなかったが、とりあえず参考文献を作るためには非常に役立った。

おかしなところは、一次史料のほとんどが英訳のあるものばかり。「ラテン語の聖人伝の編者・・・」とわざわざ書いて、そのイントロダクションのみを使ったり(これはイントロ以外はラテン語のみ)、古アイルランド語の法史料を引用しているが、脚注を見ると明らかに孫引き。せめて、孫でもいいから刊行されてる史料なんだから、どのあたりを使っているかぐらい示唆が欲しかった。孫引きの元の本を見ても、どこからもってきたか書いてないし(泣)。これは今ちょうど友人達と翻訳を作っているものなので、非常に知りたかった。ともかく今まで読んできた部分には出てきてない、ってことしか分からず。

Etchinghamとは大違い。アイルランドの古法も、訳にいろいろな問題がある100年ぐらい前に出た6巻本だけしか使っていないし。

でもよく考えると、この著者の主要な研究年代は、おそらく中世中期から後期なんだろうと思うと、そこまで史料について突っ込んでもしょうがないのかもしれない。でもせっかくTrinity卒なんだからなぁ。

一次史料の扱い方は、非常に注意しなければいけないということを、改めて教えてくれた「反面教師」的本。

Burial in Medieval Ireland: A Review of the Written Sources

Burial in Medieval Ireland: A Review of the Written Sources

  • 作者: Susan Leigh Fry, Susan Fry
  • 出版社/メーカー: Four Courts Pr Ltd
  • 発売日: 1999/10
  • メディア: ハードカバー


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