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夢枕獏 『陰陽師』 [読書感想文]

これが原作と名を冠した漫画の方が、途中であらぬ方向に行ってしまい、とっても悲しかったので原作の方を読んでみた。

始めのころは漫画の方もほぼ原作に沿っていたのね、という感じ。逆に言えば原作の方は内容を知っていて、しかもちらちら頭の中に漫画の画面が浮かんでくるので、小説の方に没頭はできなかった。漫画の方ではあまりにどぎつすぎる描写は避けていたようで、原作の方を読んでどっきりするシーンもあったが、原作小説とそれの漫画化、の美しい関係がこのころはあったのだな、と思い、逆に漫画の初期のころの雅で妖気の漂う雰囲気を思い出した。あれが12巻まで続くはずだったのに、私の頭の中では・・・。

小説と漫画の決定的な違いは、音、かな。漫画では音よりも視覚でまず捉えるから、音が手書き文字で書いてあったとしても、音としては再現できない。でもこれが小説だと、音がリアルに頭の中に響いてくる。そこが小説のいいところ。

漫画の良いところは、小説ではどうしても説明調になってしまう風景やちょっとした景色、シーンをたった一コマで表現できてしまうこと。これは、まさに漫画家の技術によるものではあるけど。あんまり上手じゃなければ、本人の意図したように読者に読んでもらえないからね。

主人公二人(安倍晴明と源博雅)の掛合は、小説の方がより軽快。

前にも載せたけど。



陰陽師(おんみょうじ)

陰陽師(おんみょうじ)

  • 作者: 夢枕 獏
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1991/02
  • メディア: 文庫


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