アイルランド古法に役立つ本 [学問]
アイルランド初期中世史をやっていると逃げられない、
古法(Early Irish Law)。
この訳し方は、
初期中世史研究者で(ホントはまだ卵)、
まさに古法を中心に研究を進められている某友人からパクリました。
A Guide to Early Irish Law (Early Irish Law S.)
- 作者:
- 出版社/メーカー: Dublin Institute for Advanced Studies
- 発売日: 1988/12
- メディア: ハードカバー
一般書、ではないけれど、
身分についてや、
その身分でも、王、領主(また問題のある訳語だ)から女性、奴隷など、
また土地、動産などの財産関係、
犯罪から契約、保証物、証拠に関して、罰など、
およそ古法で扱われている事柄全般にわたって、
それぞれ細かく章立てされて説明されている。
全部通して読む、というよりも、
必要なところだけいつでもひいて、
頭の整理しながら研究できる、頼れる友達的な本。
昨年出たばかりの本を、と思ったら、アマゾンで出てこない。
Breatnach, Liam. A Companion to the Corpus Iuris Hibernici, Dublin Institute for Advanced Studies, 2005.
ISBN 1 85500 184 5
こちらの方が「友達的」な名前だが。
Corpus Iuris Hiberniciというのは、1978年にBinchyという研究者が出した大作で、
おおよそほぼすべてのアイルランド古法が原典そのままの形(diplomatic edition)で刊行された6巻本。
それらの法律に関して、
これまでの研究や特徴、何が書かれているかなど、
説明を付したのがこの本(と言っていいのか)。
これも通して読むようなほんではないので、ちゃんと読んでいないんだけど。
でもこの先、非常にお世話になるだろうと思われる本なので、
躊躇無く購入した。
問題は、CIH自身が、刊行されているので写本を見なくてもいいけれど、
刊行されているだけに過ぎない、というところか。
つまり、古アイルランド語(と中世アイルランド語)で書かれていて、
英語どころかノートもないところ。
そしてCompanionも、古アイルランド語がずらずらと示してあるが、
訳は付けておらず、古アイルランド語の知識がないとかなり厳しい、
というところ。
やっぱり現状は厳しい、という確認作業で終了してしまった・・・。
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