よしながふみ 『大奥』1 [読書感想文]
友人が「クリスマスプレゼント」と言うことで漫画など細々としたものを送ってくれた。私は彼女が同じようにアイルランドに留学している時、何も送っていなかったので、申し訳ないやらありがたいやら。帰ったら、あるいは彼女がアイルランドに来るならば、それ相応のお礼をしたい。
で、よしながふみの『大奥』第1巻。やっと読むことが出来ました。
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この人の漫画はこれの他には1冊しか読んだことないが、それと合わせてみても、この人は歴史物が好きに違いないな、と思った。まあ、結構生々しいBLだったので、他のものを見ようとしない、あるいは敬遠していた、というのもある。歴史物だから読んだ、とも言える。あ、『西洋骨董洋菓子店』は違うのかな。ともかく、『大奥』はその掲載雑誌のせいでそのあたりの「詳細な」描写はなく、読みやすかった。
まず設定が奇抜。そして話の進め方がうまい。1巻の4分の3の話が、この先の展開に絡んでくるのかと思いきや、これはこのややこしい「パラレル」な世界設定、その舞台背景を説明するための話。説明するために言葉だけを尽くしたりせず、一つの完結したお話として進めるところが非常にうまい。で、どうやら本論に入りそうな最後の1話分で、実はどうも単なる「パラレル」で片づけるつもりがないことも匂わす。コミック1冊に入る話分を計算して書いたとしか思えない。「まだ序論だったんだー、わー、しかもこの先の展開が異常に気になる上に、全然先が読めない!」と。
私が勝手に「いつでもBLに走れるような設定なんだな」と思っていたのが見事に覆された。
あと、これはよく言われることだと思うが、間が良い。ふきだし、モノローグ一切なしのコマが多いが、それ自身が何かを語っている。あと、書き込みが少ないのは私好み。あんまり多いとそのあたりに目がいって、酔いそうで、しかも話の筋が終えなくなる。
まあ、ともかく1巻だけではまった、この先の展開がとても気になる、面白い漫画だった。漫画読んでるなよ、自分、というつっこみは敢えてシャットアウト。
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