宮城谷昌光 『沙中の回廊』 [読書感想文]
いろいろ混乱中。一部の人は「これ読むの二度目」と思うかも。手広く広げてはいけないのだ。
さて、感想。
アイルランドに来て読んだ2冊目の日本語の本。
宮城谷の主人公の二種類(ハデハデ大活躍 か 少しずつ上りつめる)の後者がこの話の主人公。生まれはあんまり良くないけど、信念に生きたらしぶーくすこしずーつ政治の舞台を上っていき、最高位の身分に至ったのが最後から9ページ目。派手の活躍もあまりせず、筋だけ通しました、という人。太公望とか、呂不韋とか、物語の始めから数奇な運命を歩んで、っていう有名人とは違う主人公を書かせた方が、宮城谷節炸裂だな。
今連載中の『三国志』はどうなるのか少し不安。宮城谷節で三国志。淡泊で、少し説教くさいのかぁ。
地図が少々情報不足なのが難点。これは宮城谷の小説ではよくあることだが、今回は「他の本の地図の使い回し?」と思わせるほど、登場する地名のほとんどが載っておらず、登場しない地名が一杯。まあ、はっきりしない時代だからしょうがないんだろうけど、これなら地図を載せて読書を中断させるより、なかった方がましかも。
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